ノータッチとは

週末の社内コンペの案内メールを見つめながら、少し頭を抱えてしまいました。

そこには「今回はノータッチ、完全ホールアウトで行います」という一言が書かれていたからです。

普段のカジュアルなゴルフ仲間とのラウンドでは、ライが悪いと自然とボールを動かしたり、短いパットを「OK」として拾い上げたりしていました。

検索して調べてみると、同じようにコンペ直前に慌ててルールを調べているゴルファーがたくさんいるようです。

 

この記事では、私と同じように「ノータッチって具体的にどこまで許されるの?」と疑問に思った方に向けて、ゴルフの基本となるノータッチの本当の意味や、うっかりやりがちなペナルティ、そして実はボールに触ってもいいルール上の救済措置について整理した情報をお届けします。

 

ゴルフの「ノータッチ」が意味すること

 

ゴルフ場やコンペの開会式などでよく耳にする「ノータッチ」ですが、実はこれ、公式のゴルフ規則に載っている言葉ではありません。

本来のルールであるゴルフ規則第9条には「球はあるがままにプレーする」と定められており、この原則を分かりやすく表現した和製英語がノータッチです。英語圏ではサマールールと呼ばれることもあります。

 

つまり、ティーイングエリアから打ったボールが止まったら、その場所や芝の状態を自分の都合で良くすることなく、そのまま打つというのが本来の大原則です。

アマチュアのカジュアルなゴルフでは、スムーズに進行するためにボールを15センチほど動かして打ちやすい場所に置く「6インチプレース」などがよく採用されますが、ノータッチを指示されたコンペでは、こうしたライの改善が認められません。

 

ノータッチと6インチプレースの違い

 

普段の慣れたラウンドから一歩進んで、少しかしこまったコンペに参加すると、ルールの設定が一気に厳格になることがあります。

特に大きな違いを感じるのが、ボールを動かせる範囲についてです。

 

アマチュア向けのルールである6インチプレースでは、ディボット跡(ショットで削れた芝の凹み)や木の根元などにボールが止まった際、カップに近づかない範囲で6インチ(約15センチ)以内なら無罰でボールを置き直す(プレースする)ことができます。

 

しかし、ノータッチルールが適用される場合は、どれだけひどい泥や凹みにボールがハマっていても、原則としてボールに触れたり動かしたりしてはいけません。

正直、この「あるがまま」の精神は、ビギナーにとっては少しハードルが高く感じられる部分だと思います。

 

完全ホールアウトとワングリップOKの違い

 

ノータッチとセットで案内されることが多いのが「完全ホールアウト」です。

これも、普段のカジュアルなゴルフでよく行われている「ワングリップOK」や「OKパット」とは全く異なる運用になります。

 

ワングリップOKは、グリーン上でボールがカップからパターのグリップ1本分(約30センチから50センチ)以内に寄った際、同伴者の許可を得て「次の1打で入ったもの」としてボールを拾い上げるルールです。

 

それに対して完全ホールアウトが指示されている場合は、どれだけカップに近くても、必ずボールがカップの底に沈むまでパッティングを続けなければなりません。

 

たった30センチのパットであっても、シビれる状況下では外してしまうかもしれないのがゴルフの奥深さであり、恐怖でもあります。

個人的には、この緊張感を味わうことこそがゴルフの本来の醍醐味なのかなとも感じています。

 

「ノータッチ=絶対に触ってはいけない」は誤解

 

ノータッチと言われると、どんな状況でも指一本触れてはいけないと思いがちですが、それは大きな誤解です。

公式ルールであっても、特定の状況下では「ルールに基づいた正当な救済手順」として、無罰でボールを拾い上げたり、別の場所に動かしたりすることが認められています。

 

これを知っておかないと、不必要なペナルティを受けたり、過剰に自分を不利な状況に追い込んでしまったりするため、必ず覚えておきたい知識です。

 

ルール上、無罰でボールに触れてよい状況

 

ゴルフ規則では、以下のような場面において、無罰でボールに触れることや動かすことが認められています。

まずはグリーン上です。

自分のボールの位置をマークした後に、ボールを拾い上げて泥などの汚れを拭くことができます。

 

次に、自分のボールであるかを確認したいときです。 泥などでボールの印や番号が隠れている場合、同伴者に確認を促した上で、マークをして拾い上げることができます。

ただし、識別するために必要な程度を超えてボールをきれいに拭き取ってはいけません。

 

さらに、カート道路や排水溝、一時的な水たまりなどの「異常なコースコンディション」にボールがある場合です。

これらは動かせない障害物として、ニアレストポイントを基準に、カップに近づかない救済エリア(1クラブレングス以内)に無罰でボールをドロップすることができます。

 

最後に、ラフなどでボールを捜索している際、偶然に足やクラブで自分のボールを動かしてしまった場合も、実は罰はありません。

元の位置にリプレースすれば大丈夫です。

 

うっかりやりがちなペナルティと対処法

 

ルールに不慣れな初心者や中級者が、ノータッチルール下で悪気なく犯してしまいやすい違反行為もいくつか存在します。

特に気をつけたいのが、ショットを打つ前のクラブの扱いや、偶然のミスに対する処置方法です。

 

よくあるのが、フェアウェイやラフでアドレスをした際、クラブヘッドが誤ってボールに当たってしまい、ボールを動かしてしまうケースを耳にします。

素振りでボールを動かしてしまった場合も同様です。

 

このように、プレーヤー自身が原因でボールを動かしてしまったときは、故意でなくても「1打罰」が科され、元の位置にボールをリプレースしなければなりません。

 

もし、このボールを元の位置に戻さずに、動いてしまった先の場所からそのまま打してしまうと、「誤所からのプレー」となり、2打罰が科されてしまうので注意が必要です。

 

また、バンカー内ではルールがさらに厳しくなります。

ボールを打つ前に、練習スイング(素振り)で砂に触れてしまったり、アドレスの際にクラブを砂につけてしまったりすると、それだけで「2打罰」が科されます。

 

ボールが「揺れただけ」ならペナルティはある?

 

アドレス中にクラブが軽く触れてしまい、ボールが動いたように見えたとき、焦ってパニックになる必要はありません。

ゴルフの規則では、ボールが「動いた」かどうかを明確に定義しています。

 

具体的には、ボールが元の位置から別の位置に移動して静止した場合に初めて「動いた」と見なされるのが基本です。

もしワッグルなどでクラブが触れ、ボールが前後にグラグラと揺れたり振動したりしただけで、最終的に元の位置からずれていなければ、ルール上は動いていないことになります。

 

この場合はペナルティを科されることなく、そのまま無罰でプレーを続けても問題ありません。

何が原因でボールが動いたのかを、まずは冷静に周りと確認することが大切です。

 

まとめ

 

「今日はノータッチ」と言われると少し身構えてしまいますが、ゴルフ本来のルールである「あるがままにプレーする」ことを意識すれば、決して怖いものではありません。

 

カート道路やグリーン上での正しい救済ルールさえ覚えておけば、不快なペナルティを課されることなく自信を持ってコンペを回ることができます。

 

次のコンペでは、普段のカジュアルなプレースタイルとは一味違った、適度な緊張感とゴルフ本来の奥深さを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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